北イタリアの定番伝統料理のポレンタ。
昔々、私がまだ若かった頃、日本ではまず見かけませんでした。
きちんとしたイタリアン料理店でもメニューには無く、特別予約のシェフのお任せや新メニューの試食会でメインの添えに出てきた記憶があります。
(そういう人脈のお付き合いは結婚した途端に失い、イタリアは遠くなりました)
ポレンタは、小麦は無論、米も買えない人たちが家畜の飼料でもあるトウモロコシを食べる感覚。北イタリアの貧しい人の主食代わり。
粥のように柔らかいものから団子のようになったものまで水分量だけで違ってくる素朴な料理。
随分前に見切り品ワゴンで輸入品のポレンタ粉を発見しました。
さすが今の時代で、画期的に時短でできるように加工されていました。1時間も煮る気は無いのですが、こんなに時短なら買いましょう。
お米以外お断りのお隣さんの留守を狙っていたら、購入してから日数が随分過ぎてしまいましたが、やっとチャンスが巡って来ました。
それでは、ウン十年ぶりに食べてみましょうか。
粥はやめて、メイン料理に添える程度の状態に作りました。標準ですね。
生まれて初めてポレンタを食べる娘のために、定番でシンプルなチーズソース。
それに、メインおかずと食べるという、こちらも定番の食べ方を体験させたくて、ソーセージのトマト煮。
キノコ嫌いの娘なので、キノコは写真撮ってから外して私の皿にのせました。
「なんだろ?これ、なんだろ?何かに似てるんだけどなー」
考えながら食べていた娘は、結局「表現できない味だ」と諦めてしまいました。
それでも、また作ってもいいそうです。
よかった。
鍋にいっぱいできちゃった上に、ポレンタ粉はまだ残っているのです。
上の娘が居る時に作ればよかったなぁ……。
三人前なら計算通りだったのに、よく考えてみたら今は女子二人暮らしでした。この五年ぐらいで三人前の習慣がしっかりついてしまったようです。