時々、懐かしくなる思い出の料理にラザニアがあります。
板状のパスタを茹でて間にソースを挟みつつ幾重にも重ねてオーブンで焼くという、ちょっと手間のかかるイタリア料理。
ソースもミートソースとホワイトソースを重ねることが多いので、2種類必要。
好きなのですが、これもなかなか食卓にのせられません。
まずはその手間がかかるということ。
そして、家族にチーズ嫌いがいる。チーズ外せばいいかというと、米の飯じゃないとダメと言う。
更に、ラザニア自体、日本のスーパーで手に入るようになったのは10年ぐらい前あたりからで、輸入食料品のお店で探すしかなかった。
ハードル高かったものです。
ところが、今はイタリア人もそんなにスローフードでもなくなって、茹でなくても作れる乾燥ラザニアが開発されていて、それを輸出しています。
というわけで、それを……。
貧乏学生だったので普段は食料品店でパンとジャムかクッキーを買ってお昼を済ましていました。
午前の授業が長い日の朝は学校前の広場に立つ朝市で量り売りオレンジを一個買って、11時頃のおやつ。
折々に、量り売りピザの店か、一番格下レストランのターボラ・カルダで贅沢をする。
そんな時にチョイスするのがラザニアでした。
日本ではラザニアに限らずイタリアンというとかなりこってりした味で、こってり系が苦手だった私は、きちんとした本場に近い味を出すお店でしか食べられませんでした。
今は随分慣れて、日本風?のかなりしっかりした濃い味も食べられるようになってきました。
とは言え、やっぱり自分で作るほうが求める味に近いです。
この乾燥ラザニアも、すぐに使う予定もないのに見切り品ワゴンから引き揚げてレジに運んでしまいました。
乾燥ラザニアの時は水分が多いほうが美味しくできますから(初めて使った時は水分足らなくてコテコテしてしまいました)今回は白茄子を茹でて緩めのソースと共にたっぷり挟み込みました。
丁度良くなりました。
娘も喜ぶから作れる、自分のための贅沢料理。
贅沢って金額じゃないのです。
私の言う贅沢とは、こういう心の贅沢のこと。
価値観をブランドや金額などのランクや数字などで全く持たない人間です。
貧乏話も事実お金がないというだけで、それに対して余分なマイナス感情(ひがみ、うらやみ、ねたみ等々)は全く無いし、不幸を売りにしているわけでもありません。
誰であっても、それぞれの事情が許す中で、それぞれが自由に心の贅沢をすればよいと思っています。