本格的に作ろうとしたら家では作れないだろうというものにデミグラスソースが
あります。でも、レトルトや缶詰を買わないで、家で作って食べたいです。
それで、ただの手抜きのなんちゃってデミグラスのミートスパゲッティ。
手抜きのデミグラスソースを使って、以前豚肉のワイン煮即席デミグラスソースを
紹介したことがあります。
考え方のベースは同じパターンで、日本人がミートスパゲッティと呼んでいる
イタリアでは出会ったことのないスパゲッティが作れます。
イタリアにミートスパゲッティは無くて、肉のラグーが近い料理。でも、ラグーは
デミグラスソースとは違うもので、オイルベースのソースです。
これは日本のウスターソースを使って風味付けをしている日本らしい味です。
粗びき肉を使うことで見た目が良くなりますね。食べ応えも出ます。
ベースの味がウスターソースとケチャップというありきたりのものなのですが、
そのまま混ぜたらデミグラスではない味。
ひき肉と一緒に炒める野菜を選び、野菜の味とソースとケチャップの独特の癖を
消すタイミングで入れる赤ワイン、それにハーブで、ただ混ぜた物とは別次元の
本格的な味になります。
黙っていたら素人には手抜きのなんちゃってソースとは気づかれません。
お店に行かなくても、レトルトソース買わなくても、簡単時短で日本人の誰もが
連想する味になり、それも材料と作り方一つでレストランの味までになります。
チーズケーキと同じで、正しい材料で正しい科学的手順で作ればできるもの。
けれども、量も時間も火加減も、全部が経験に頼った勘なので、どうにもレシピ
にはできません。
気候や温度湿度で分量も変わりますし、当然その時々の材料の状態でも違うので、
旨味や水分量、鮮度を見極めて無意識的に調節をしているのが私流なのです。